本日、王宮の玄関にて、ひな姫が執事に対し最も麗しき甘えの儀を披露されました。その神聖なる瞬間を、忠実なる執事の証言と共に謹んで記録いたします。
夕刻の玄関に差し込む柔らかな光の中、ひな姫は執事の膝上へと優雅にお上がりになられました。その瞬間のお姿といえば、長き被毛が絹のように光り輝き、白き胸毛は雲のごとく豊かに、そして茶と黒の美しき模様が背から頭部にかけて気品高く配されております。
姫の瞳は半ば閉じられ、そこには深い安堵と信頼の光が宿っておりました。小さき耳はわずかに立ち、執事の声音に耳を傾けられるその姿は、まさに愛情深き臣下への信頼を物語っております。執事の手は姫の脇腹にそっと添えられ、その温もりが姫の心を更なる安らぎへと導いているのでございます。
やがて姫は、完全なる至福の境地へとお入りになられました。両の瞼は静かに閉じられ、お口元にはかすかな微笑みのようなものが浮かんでおります。執事の手は今度は姫の愛らしき頬に優しく添えられ、まるで世界で最も貴重な宝物を扱うかのような慈愛に満ちた所作でございます。
この時の姫のお体は完全に力を抜かれ、執事の膝の上にすべてを委ねられておられます。その無防備なお姿こそが、執事への絶対的な信頼の証。豊かなる被毛は光を受けて金色に輝き、白き襟毛は天使の羽根のように美しく、王家の血統の高貴さを余すところなく表現されております。
玄関という、外界と王宮を繋ぐ境界の地にて、このような神聖な甘えの儀が執り行われることの意味は深遠でございます。それは、ひな姫が執事を真の守護者として認められ、どのような場所であれ、執事の膝上こそが最も安全で心地よき聖域であると宣言されているのでございましょう。
執事もまた、この上なき栄誉に身じろぎひとつせず、姫の安息を守り続けました。二人の間に流れる静謐なる時間は、王国に平和と調和をもたらす聖なる儀式そのものでございます。
このような麗しき午後のひととき、玄関の石床さえも王宮の神聖なる空間と化し、ひな姫の甘えという至高の芸術が執り行われたのでございます。
── Tales from the Fluffy Kingdom
忠実なる執事長より