忠義なる執事長より、本日の巡察と安息の記録を謹んでご報告申し上げます。
本日、もふもふ王国のあられ姫は、凛としたご表情のもと、城下へとお出ましになりました。
天候は穏やか、空気は柔らかく、まさにご巡察日和。
執事がリードを携え「本日も参りましょう」と申し上げたところ、姫はふわりと尾を振り、軽やかな足取りで玄関を進まれました。

石畳の道を進まれる姫のご威容たるや、もはや言葉には尽くせぬものがございます。
ふわりと舞うようなたてがみ、愛らしき瞳と、くるりと巻かれた王家のしっぽ――
行き交う民の誰もが思わず足を止め、そっと微笑まれます。

「なんて可愛らしい……まさか本物の姫様?」「目が合った気がする!」
そのような声が、ひそやかに、しかし確かに届いておりました。
姫は泰然と前を見据え、胸を張って歩まれながらも、時折ふと上目遣いでこちらを見上げられ……
執事の心臓は、毎度のことながら鼓動を早めるのでございます。
巡察を終え、もふもふの安息へ
一通り城下の様子をご覧になったのち、姫は静かに城へとご帰還。
そのおみ足は軽やかでありながら、どこか満ち足りたご様子が感じられました。
執事の膝上に身を預けられたのは、帰還からほどなくしてのこと。
執事の足上にて安らぐ姫

柔らかなもふもふがぴたりと密着し、姫のまぶたはゆっくりと閉じられ――
やがて静かな寝息とともに、完全なる脱力モードへと移行されました。
そのお顔は誠に穏やかで、見る者の心を鎮め、祝福するかのようなやすらぎに満ちておりました。
忠実なる記録にて
本日のあられ姫は、ご自身のご威容とご慈愛をもって、城下に光をもたらされました。
巡察によって民の笑顔を導き、安息のひとときには執事に癒しを授けてくださる。
これぞ王家の姫君のなせる業、まさに「もふもふの誉れ」と申せましょう。
いかなる時も、姫のひとつひとつのお振る舞いを記録できること――
それこそ、執事にとって最大の栄誉にございます。
── Tales from the Fluffy Kingdom
忠実なる執事長より